確定申告に必要なものチェックリスト【初年度のフリーランス向け】

初めての確定申告でつまずきやすいのは、申告のやり方そのものより「何を用意すればいいのか分からない」という準備段階です。控除証明書のように年に1回しか届かない書類もあり、申告期になって慌てると間に合わないこともあります。この記事では、フリーランス・個人事業主が確定申告で必要になるものを、用途ごとのチェックリストと早見表で整理します。早めに揃えておくほど、申告作業はぐっと楽になります。

確定申告に必要なもの早見表

確定申告で用意するものと入手先の一覧
分類必要なもの主な入手先・備考
本人確認マイナンバーがわかるもの+本人確認書類マイナンバーカード(1枚で両方を兼ねる)
還付の受取本人名義の銀行口座番号還付がある場合の振込先
収入売上の記録・取引先からの支払調書(あれば)請求書・通帳・帳簿から集計
経費領収書・レシート・帳簿勘定科目ごとに集計しておく
控除各種控除証明書国民年金・生命保険・小規模企業共済など発行元から郵送
青色申告複式簿記の帳簿・決算書会計ソフト等で作成

① 本人確認・口座まわり

  • マイナンバーがわかるもの(マイナンバーカード、通知カード、マイナンバー記載の住民票など)
  • 本人確認書類(マイナンバーカードがあれば不要。ない場合は運転免許証などの提示・写しが必要)
  • 還付金の受取口座(本人名義の口座番号。税金が戻る場合の振込先)
  • 口座振替やe-Tax納付を使う場合は、引き落とし口座やネットバンキングの情報
マイナンバーカードがあると、本人確認とマイナンバーの確認を1枚で済ませられ、e-Taxでの申告もスムーズです。詳しい手順はe-Taxで確定申告する方法をご覧ください。

② 収入を証明・集計するもの

  • 1年分(1〜12月)の売上の記録(請求書・通帳の入金履歴・帳簿)
  • 取引先から届いた支払調書(届いていれば。確定申告への添付は必須ではありません)
  • 報酬から源泉徴収された金額がわかる資料(支払調書や、自分で記録した源泉徴収額)
  • 事業以外の収入があればその記録(副業の給与は源泉徴収票、一時的な収入など)

支払調書は取引先が本人に交付する法的義務がない書類のため、届かないこともあります。その場合は振込額から源泉徴収額を逆算して集計します。詳しくは支払調書と源泉徴収票の違いを参照してください。源泉徴収された分は源泉徴収税の計算方法で検算でき、納めすぎていれば確定申告で還付されます。

③ 経費・帳簿

  • 経費の領収書・レシート(勘定科目ごとに整理しておくと集計が楽です)
  • 1年分の帳簿(売上・経費を記録したもの。会計ソフトやエクセルなど)
  • 自宅兼事務所の家賃・通信費・電気代など、家事按分する支出の根拠メモ
  • 固定資産(10万円以上のPCなど)を購入した場合は、その明細

どの支出が経費になり、どの勘定科目にあたるかはフリーランスの経費一覧チェックリストに勘定科目つきでまとめています。家賃や通信費の按分の決め方は家事按分の割合の決め方が参考になります。帳簿づけを効率化するなら会計ソフトの比較(3社)もご覧ください。

④ 控除を受けるための証明書

控除を受けるには、原則として証明書が必要です。多くは秋から年明けにかけて発行元から郵送されます。手元に届いたら申告まで保管しておきましょう(年金・生命保険などはe-Tax利用時にマイナポータル連携で取得できる場合もあります)。

主な所得控除と必要な証明書
受けられる控除必要なもの発行元・備考
社会保険料控除(国民年金)国民年金保険料控除証明書日本年金機構から郵送
社会保険料控除(国民健康保険)1年間に納付した保険料の額がわかるもの自治体の通知や口座記録(証明書は不要な場合が多い)
小規模企業共済等掛金控除掛金払込証明書中小機構/iDeCoは国民年金基金連合会
生命保険料控除・地震保険料控除控除証明書各保険会社から郵送
医療費控除医療費の領収書・医療費控除の明細書1年分を集計
寄附金控除(ふるさと納税など)寄附金受領証明書ワンストップ特例は確定申告では使えません
フリーランスはふるさと納税のワンストップ特例が使えないため、確定申告で寄附金控除として申告します。限度額の考え方はふるさと納税の限度額で確認できます。

青色申告なら追加で必要なもの

青色申告で最大65万円の特別控除を受けるには、事前に「青色申告承認申請書」を提出していること(その年の3月15日まで、または開業から2か月以内が原則)に加え、申告時に次の条件を満たす必要があります。

青色申告特別控除の控除額と条件
控除額主な条件
65万円複式簿記+貸借対照表等の添付に加え、e-Taxで申告または仕訳帳・総勘定元帳の電子帳簿保存を行う
55万円複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を添付して期限内に提出する
10万円上記の条件を満たさない青色申告者(単式簿記など)

青色と白色のどちらにするか迷う場合は青色申告と白色申告の違いを、申告全体の流れは確定申告の進め方をご覧ください。

申告期間とスケジュール

所得税の確定申告は、原則として翌年の2月16日から3月15日までに行います。令和7年分(2025年分)の申告・納付期限は、国税庁の案内では2026年(令和8年)3月16日(月)です(3月15日が日曜のため翌営業日)。期限間際は税務署やe-Taxが混み合うため、必要なものは年明け早めに揃えておくと安心です。

  • 12月まで: 1年分の売上・経費を帳簿に入力し終える
  • 1月〜2月上旬: 届いた控除証明書を集め、医療費・ふるさと納税を集計
  • 2月16日〜3月16日: 申告書を作成して提出・納付(還付申告は1月から可能)
個別の必要書類は所得や控除の内容によって変わります。判断に迷う場合は、最新の情報を国税庁の確定申告特集で確認するか、税務署・税理士に相談してください。

よくある質問

初めての確定申告、何から準備すればいいですか?

まず1年分(1〜12月)の売上と経費を帳簿に集計し、領収書を整理することから始めます。並行して、秋〜年明けに届く控除証明書(国民年金・生命保険・小規模企業共済など)をなくさず保管しておきましょう。これらが揃えば、申告書の作成自体は会計ソフトやe-Taxで進められます。

マイナンバーカードがないと確定申告できませんか?

カードがなくても申告できます。その場合は、マイナンバーがわかる書類(通知カードやマイナンバー記載の住民票)と、運転免許証などの本人確認書類の写しなどを用意します。ただしマイナンバーカードがあると、e-Taxでの申告や控除証明書のデータ取得がスムーズになります。

控除証明書をなくしてしまいました。どうすればいいですか?

多くの控除証明書は再発行を依頼できます。国民年金保険料控除証明書は日本年金機構(ねんきん加入者ダイヤル等)、生命保険料控除証明書は契約先の保険会社に再発行を依頼します。再発行には日数がかかることがあるため、早めに連絡しましょう。

支払調書は確定申告に必ず必要ですか?

確定申告書への添付は必須ではありません。支払調書は取引先が本人に交付する法的義務がない書類で、届かないこともあります。大切なのは自分の売上と源泉徴収額を正しく集計することなので、支払調書がなくても請求書や通帳から金額を確認できれば申告できます。