青色申告承認申請書の書き方と提出期限|開業2か月以内・3月15日まで【フリーランス】

青色申告のメリット(最大65万円の特別控除・赤字の繰越・家族への給与など)を受けるには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署へ出しておく必要があります。ここでつまずきやすいのが提出期限です。期限を1日でも過ぎると、その年は白色申告になり、65万円控除も使えません。この記事では、承認申請書の提出期限と書き方を国税庁の情報にそって整理し、出し忘れを防ぐためのチェックリストまでまとめます。

これから開業する人は、開業届と青色申告承認申請書を一緒に出すのが定番です。開業届そのものの書き方は開業届の書き方チェックリストを参照してください。青色と白色でどれだけ変わるかは青色申告と白色申告の違いで確認できます。

提出期限(ここが最重要)

国税庁によると、青色申告の承認を受けようとする年の3月15日までが原則の期限です。ただしその年の1月16日以後に新規開業した場合は、業務を開始した日から2か月以内が期限になります。ケース別に整理すると次のとおりです。

青色申告承認申請書の提出期限(国税庁 No.2070 をもとに整理)
ケース提出期限青色が使えるようになる年分
すでに事業を営んでいる(または1月1日〜15日に開業)その年の3月15日までその年分から
その年の1月16日以後に新規開業した業務開始日から2か月以内開業したその年分から
相続で事業を承継した(被相続人が青色)承継の状況により2か月〜4か月以内承継した年分から
たとえば2026年5月1日に開業した人は、7月1日までに提出すれば2026年分から青色申告ができます。提出が遅れて期限を過ぎると、2026年分は白色となり、青色は2027年分(2027年3月15日までに申請)からになります。「開業したら真っ先に出す」のが安全です。

提出先・提出方法

  • 提出先:納税地(原則として自宅の住所地)の所轄税務署長。管轄はお住まいの地域で決まります。
  • 提出方法:税務署の窓口へ持参、郵送、またはe-Tax(e-TaxソフトのWEB版「マイページ」など)で電子提出できます。
  • 控えの保管:窓口・郵送の場合は控えにも収受印をもらい(郵送は返信用封筒を同封)、開業届の控えとセットで保管します。屋号での銀行口座開設や融資審査で提示を求められることがあります。
承認申請書を出しても、その年の12月31日までに税務署から承認・却下の通知が届かない場合は、その申請の日に承認があったものとみなされます(みなし承認)。通常は「通知が来ないこと」自体は問題ではなく、期限内に正しく提出できていれば青色申告ができます。

承認申請書の書き方(記入する欄)

様式は1枚で、書く内容もシンプルです。主に次の欄を埋めます。

  1. 提出先の税務署名・提出日・納税地・氏名・職業・屋号:開業届と同じ内容を書きます。
  2. 青色申告を開始する年分:「令和◯年分以後の所得税の申告は、青色申告書によりたいので申請します」の年を記入。
  3. 事業所・資産の名称と所在地:自宅兼事務所ならその住所。複数あれば併記します。
  4. 所得の種類:事業所得・不動産所得・山林所得のうち該当するものに丸を付けます(フリーランスの多くは事業所得)。
  5. 過去の青色申告の取消・取りやめの有無:初めてなら「無」。
  6. 本年1月16日以後に新規開業した場合の開業年月日:新規開業ならここに開業日を書きます(提出期限の起算日になります)。
  7. 簿記方式:「複式簿記」「簡易簿記」などから選択(後述)。
  8. 備付帳簿名:総勘定元帳・仕訳帳・現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳などから、付ける帳簿に丸を付けます。

65万円控除を狙うなら「複式簿記」にチェック

簿記方式の欄は、あとで受けられる控除額に直結します。65万円・55万円の青色申告特別控除を受けるには複式簿記での記帳が前提のため、これらを狙うなら「複式簿記」を選び、備付帳簿名も総勘定元帳・仕訳帳を含めて丸を付けます。「簡易簿記」を選ぶと、原則として控除は10万円にとどまります。控除額ごとの要件は青色申告特別控除65万円・55万円・10万円の違いで確認してください。

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出し忘れた・期限を過ぎたときは

  • その年分はさかのぼれません:期限後に提出しても、その年は白色申告になります。青色は「翌年分」からの適用になります。
  • 翌年分の申請として提出しておく:気づいた時点で申請書を出しておけば、翌年分から青色にできます(翌年の3月15日が期限でも、早めに出して問題ありません)。
  • 白色の年もあきらめない:青色が使えない年でも、経費のチェックリスト家事按分で計上漏れを防げば税負担は下げられます。

提出前チェックリスト

  • 提出期限を確認した(原則3月15日/1月16日以降の新規開業は開業から2か月以内)
  • 納税地の所轄税務署あてになっている
  • 青色申告を始める年分を正しく記入した
  • 所得の種類(事業所得など)に丸を付けた
  • 新規開業なら開業年月日を記入した
  • 65万円・55万円控除を狙うなら簿記方式で「複式簿記」を選んだ
  • 備付帳簿名(総勘定元帳・仕訳帳など)に丸を付けた
  • 控えを取り、開業届の控えとあわせて保管する準備をした

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青色申告承認申請書は、書く内容こそ少ないものの「期限を過ぎるとその年は取り返せない」という一発勝負の手続きです。これから開業するなら開業届と同時に、すでに事業をしているなら3月15日を待たずに早めに提出しておきましょう。あとは複式簿記に対応した会計ソフトで日々の記帳を続ければ、翌年の申告で65万円控除を無理なく受けられます。

よくある質問

青色申告承認申請書の提出期限はいつですか?

原則は、青色申告をしようとする年の3月15日までです。ただしその年の1月16日以後に新規開業した場合は、業務を開始した日から2か月以内が期限になります。たとえば5月1日開業なら7月1日までに提出すれば、その年分から青色申告ができます。期限を過ぎるとその年は白色となり、青色は翌年分からの適用になります。

開業届と青色申告承認申請書は別々に出す必要がありますか?

様式は別々の書類ですが、同じ税務署に同時に提出できます。これから開業する人は、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と青色申告承認申請書を一緒に出すのが一般的です。青色のメリットを最初の年から受けるためにも、開業したらまとめて提出するのがおすすめです。

簿記方式は「複式簿記」と「簡易簿記」どちらを選べばいいですか?

65万円または55万円の青色申告特別控除を受けたい場合は「複式簿記」を選びます。複式簿記は会計ソフトを使えば自動で仕訳・総勘定元帳・貸借対照表まで作成できるため、実務上のハードルは高くありません。「簡易簿記」を選ぶと控除は原則10万円にとどまります。

承認の通知が届きません。青色申告できないのですか?

承認申請書を提出した年の12月31日までに税務署から承認・却下の通知が届かない場合は、その申請の日に承認があったものとみなされます(みなし承認)。期限内に正しく提出できていれば、通知が来なくても青色申告ができますので、控えを保管しておけば問題ありません。