開業届の書き方チェックリスト
フリーランスとして仕事を始めたら、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(いわゆる開業届)を提出します。手数料はかからず、書き方さえわかれば15分ほどで作成できます。この記事では、記入項目をチェックリストで整理し、「出さないとどうなるのか」「青色申告の申請と何が違うのか」までまとめて確認できるようにしました。
開業届とは(正式名称と基本)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 個人事業の開業・廃業等届出書 |
| 提出時期 | 事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで |
| 提出先 | 納税地(原則は自宅の住所地)を所轄する税務署 |
| 提出方法 | 税務署へ持参・郵送、またはe-Tax(電子申請) |
| 手数料 | 無料 |
| 控えの扱い | 2025年(令和7年)1月から税務署では控えへの収受日付印の押なつを行っていないため、自分で控えを作成・保管し、提出年月日を記録しておく |
書き方チェックリスト(記入項目)
用紙は税務署の窓口でもらえるほか、国税庁サイトからダウンロードできます。上から順に、次の項目を埋めていきます。
- 提出先の税務署名・提出日(納税地を管轄する税務署を記入)
- 納税地(自宅で開業するなら「住所地」を選び、住所・電話番号を記入)
- 氏名・生年月日・個人番号(マイナンバー)
- 職業(例: ライター、デザイナー、エンジニアなど)と屋号(任意。なければ空欄でも可)
- 届出の区分(新規開業なら「開業」を選択)
- 所得の種類(事業所得・不動産所得・山林所得から該当するもの。フリーランスの事業は通常「事業所得」)
- 開業日(事業を始めた日。提出はこの日の属する年分の確定申告期限まで)
- 「青色申告承認申請書」または「課税事業者選択届出書」等の提出の有無(青色申告するなら「有」に)
- 事業の概要(具体的な仕事内容を簡潔に。例:「Webサイトの制作・運用」)
- 給与等の支払の状況(家族や従業員に給与を払う場合のみ記入。一人で始めるなら空欄で可)
開業届を出さないとどうなる?
開業届の提出は所得税法で定められていますが、提出しなかったこと自体への罰則(罰金など)の規定はありません。実際、確定申告さえ正しく行えば、申告の受付自体は可能です。ただし、出さないと次のようなデメリットがあります。
- 青色申告ができない — 最大65万円の青色申告特別控除などの節税メリットを受けるには、別途「青色申告承認申請書」の提出が必要(後述)
- 屋号付きの銀行口座が作りにくい — 多くの金融機関で、屋号口座の開設時に開業届の控えを求められる
- 小規模企業共済などに加入する際の証明に使えない — 加入手続きで開業の事実を示す書類として使われることがある
- 補助金・融資・保育園の手続きで、事業を営んでいることの証明書類として求められる場合がある
青色申告するなら「青色申告承認申請書」もセットで
開業届はあくまで「開業しました」という届出で、これだけでは青色申告にはなりません。青色申告の特別控除や赤字の繰越などを使うには、別の用紙「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。開業届と同時に出すのが効率的です。
| ケース | 提出期限 |
|---|---|
| 原則 | 青色申告をしようとする年の3月15日まで |
| その年の1月16日以後に新規開業した場合 | 事業開始日から2か月以内 |
青色申告と白色申告のメリット・帳簿の違いは青色申告と白色申告の違いで、開業後にかかる税金や保険料の目安は手取り計算ツールで確認できます。青色申告の65万円控除には複式簿記での記帳が必要になるため、開業のタイミングでクラウド会計ソフト3社の比較を見て記帳の環境を整えておくのがおすすめです。
よくある質問
開業届はいつまでに出せばいいですか?
国税庁の手続案内では、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに、納税地を所轄する税務署へ提出することとされています(2026年7月時点)。提出期限が土・日・祝日等の場合はその翌日が期限です。
開業届を出さないと罰則はありますか?
提出しなかったこと自体への罰則(罰金など)の規定はありません。ただし青色申告ができない、屋号口座を作りにくいといったデメリットがあるため、提出が原則です。
開業届の提出に費用はかかりますか?
かかりません。提出は無料で、税務署窓口・郵送・e-Tax(電子申請)のいずれでも提出できます。
青色申告したい場合は開業届だけでいいですか?
開業届だけでは青色申告になりません。別途「所得税の青色申告承認申請書」が必要です。原則はその年の3月15日まで、1月16日以後に開業した場合は事業開始日から2か月以内が提出期限です。開業届と同時に出すのがおすすめです。