入金されない・支払いが遅れたときの催促メール文例
支払期日を過ぎても入金がない——フリーランスなら一度は経験するトラブルです。多くは経理の処理漏れや請求書の埋もれといった事務的なミスが原因なので、最初から強い態度に出る必要はありません。一方で、放置するほど回収は難しくなります。段階に応じた文例と手順を紹介します。
催促の前に確認すること
- 請求書を正しい宛先に送っているか(担当者の異動やメールの埋もれはよくあります)
- 請求書の支払期日・金額・振込先に誤りがないか
- 契約や発注書で合意した支払サイト(締め日・支払日)と自分の認識が合っているか
文例1: 期日翌日〜数日後のやんわり確認
最初の連絡は、行き違いの可能性に配慮した確認のトーンにします。事務ミスならこの1通で解決することがほとんどです。
文例2: 1〜2週間後の再送と期限の明示
返信がない場合は、回答期限を具体的な日付で区切って再送します。「いつまでに何をしてほしいか」を明確にするのがポイントです。
文例3: 最終通告(法的手続きの検討を伝える)
再三の連絡にも応答がない場合は、法的手続きを検討している旨を伝えます。感情的な表現は避け、事実と期限だけを淡々と書くのがポイントです。
エスカレーションの段取り
- メールで催促(文例1→2→3の順に。やり取りの記録が残る形で行う)
- 電話で確認(担当者の不在が続く場合は、経理部門や代表窓口へ)
- 内容証明郵便で請求(請求した事実を証拠として残せます)
- 支払督促・少額訴訟などの法的手続き(少額訴訟は原則60万円以下の金銭請求で利用できるとされています)
金額が大きい場合や相手の対応が不誠実な場合は、早い段階で弁護士に相談したほうが、結果的に早く解決することもあります。
フリーランス新法の支払期日ルールと相談窓口
2024年11月に施行されたフリーランス法(正式名称: 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の第4条では、報酬の支払期日は、発注事業者が「給付を受領した日から起算して六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において」定めなければならないとされています(条文はe-Gov法令検索で確認できます)。受領から60日を大きく超える支払サイトを提示されている場合は、この規定を根拠に見直しを相談する余地があります。支払いの遅延や一方的な減額に悩んだら、厚生労働省の委託事業として第二東京弁護士会が運営するフリーランス・トラブル110番で、弁護士に無料で相談できます。
遅延損害金は請求できる?
支払いが遅れた期間については、遅延損害金を請求できる場合があります。利率は契約書に定めがあればその定めに従い、定めがなければ民法の法定利率(変動制のため、時期によって異なります)によるとされています。実際に請求するかどうかは関係性と金額次第ですが、契約書に遅延損害金の条項を入れておくこと自体が、支払遅延への抑止力になります。
こうしたトラブルを減らすには、請求の段階で支払期日と振込先を明確にしておくことも有効です。請求書の書き方と無料の請求書作成ツールもあわせてご活用ください。
よくある質問
入金が1日遅れただけでも催促してよいですか?
問題ありません。事務ミスの早期発見にもつながります。最初の連絡は「行き違いでしたらご容赦ください」と配慮を添えた確認のトーンにすれば、関係を損ねる心配はほとんどありません。
催促はメールと電話のどちらがよいですか?
まずは記録が残るメールがおすすめです。返信がなければ電話で確認し、電話で話した内容も「お電話の件、念のためメールでも共有します」と文面に残しておくと、後の手続きで役立ちます。
支払いを待っている間も、次の納品はすべきですか?
一律の正解はありませんが、未払いが続く相手への納品は未回収額を増やすリスクがあります。「入金確認後に次の作業に着手する」という条件への切り替えを交渉するのも選択肢です。
少額の未払いでも法的手続きはできますか?
支払督促や少額訴訟(原則60万円以下の金銭請求)は、比較的少ない費用で利用できる手続きとされています。手続きの選択に迷う場合は、フリーランス・トラブル110番や弁護士に相談してみてください。
遅延損害金の利率はどう決まりますか?
契約書に定めがあればその利率に従い、定めがなければ民法の法定利率によるとされています。法定利率は変動制のため、適用される時期によって異なります。具体的な計算は弁護士などの専門家に確認すると確実です。