単価交渉・値上げメールの文例集
営業・単価最終更新: 2026-07-05
値上げ交渉は「お願い」ではなく条件のすり合わせです。感覚ではなく数字と実績を根拠にすれば、関係を壊さずに単価を見直せます。この記事では、場面別にそのまま使えるメール文例を4本紹介します。
交渉の前に: 自分の時給を把握する
希望単価に根拠を持たせる第一歩は、いまの案件の実効時給(報酬÷実際にかかった時間)を知ることです。修正対応や打ち合わせ、連絡のやり取りまで含めた総時間で割ると、想像より低いことが少なくありません。ここを把握しておくと、「何%上げたいか」ではなく「いくらが適正か」で話せるようになります。
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文例1: 継続クライアントへの値上げ打診
継続案件の値上げは、2〜3か月前の予告が基本です。理由は「物価が上がったから」ではなく、これまでの実績と作業範囲の広がりを根拠にすると受け入れられやすくなります。
件名: ご契約単価の改定のご相談
株式会社○○ ○○様
いつもお世話になっております。○○です。
○年○月より継続してご依頼いただいているお仕事について、ご相談がありご連絡いたしました。
当初のご契約時と比べ、現在は対応範囲が広がっており(例: 構成案の作成、入稿作業までを担当)、作業工数が当初の想定を上回る状態が続いております。
つきましては、○月ご依頼分より、単価を現行の○○円から○○円に改定させていただきたく、ご検討をお願いできますでしょうか。
現行単価でのご対応は○月末まで継続いたしますので、ご都合のよいタイミングでお打ち合わせの機会をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
文例2: 新規案件で希望単価を提示する
新規案件では、金額だけでなく作業範囲と修正回数をセットで提示するのがポイントです。あとから「ここまで含むと思っていた」と言われるのを防げます。
件名: お見積りの件
○○様
お問い合わせいただきありがとうございます。○○です。
ご依頼内容を拝見し、下記の条件でお引き受けできればと考えております。
・作業範囲: ○○(修正対応は2回まで含みます)
・単価: ○○円(税別)
・納期: ご発注から○営業日
上記の範囲を超える追加のご依頼については、別途お見積りいたします。
ご予算と合わない場合は、作業範囲の調整もご相談可能です。ご検討のほどよろしくお願いいたします。
文例3: 値上げを断られたときの落とし所
断られたときに「では現状のままで」と引き下がると、条件は何も変わりません。現実的な落とし所は、単価を据え置く代わりに作業範囲を調整する提案です。
ご検討いただきありがとうございます。ご予算のご事情、承知いたしました。
そのうえでのご相談ですが、現行単価のままお引き受けする場合、作業範囲を下記のとおり調整させていただけないでしょうか。
・修正対応: 2回までを基本とし、3回目以降は別途お見積り
・お打ち合わせ: 月1回までオンラインにて
品質を維持しながら長くお付き合いさせていただくためのご提案です。ご検討いただけますと幸いです。
文例4: 消費税・インボイス対応の価格改定連絡
件名: お取引条件の確認とご相談
○○様
いつもお世話になっております。○○です。
インボイス制度への対応にあたり、今後のお取引条件についてご相談させてください。
現在のご契約金額における消費税の取り扱い(税込・税別の別)をあらためて確認させていただきたく、あわせて○月ご依頼分より本体価格を○○円とさせていただけないかと考えております。
一方的なお願いとならないよう、条件面はすり合わせのうえで決定できればと考えております。お手すきの際にご返信いただけますと幸いです。
逆に発注側からの値下げについては、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)第5条で、一定期間以上の継続的な業務委託において、フリーランス側に責めに帰すべき事由がないのに「報酬の額を減ずること」が禁止されています(条文は
e-Gov法令検索で確認できます)。インボイスなどを理由に一方的な減額を求められた場合は、そのまま受け入れる前に、厚生労働省の委託事業として弁護士が無料相談に対応する
フリーランス・トラブル110番などの窓口に相談することも検討してください。
値上げ交渉でやってはいけないこと
- 謝りすぎない(「大変恐縮ですが」の連発は、提案の説得力を下げます)
- 根拠のない一方的な通告をしない(実績・工数・作業範囲の変化を示す)
- 納品直前や相手の繁忙期にいきなり切り出さない(予告期間を置く)
- 「他社はもっと高い」だけを根拠にしない
- 口頭だけで済ませない(合意した条件は必ずメールや書面に残す)
値上げが通らないうえに支払いの遅延まで起きているような取引先であれば、取引を続けるかどうか自体の見直しも選択肢です。未払いへの対応は入金されないときの催促メール文例をご覧ください。
よくある質問
値上げ交渉はいつ切り出すのがよいですか?
契約更新や年度の変わり目の2〜3か月前が目安です。納品物への評価が高かった直後も切り出しやすいタイミングです。適用開始までに予告期間を置くことで、相手も予算調整がしやすくなります。
値上げ幅はどのくらいが妥当ですか?
一律の相場はありません。実効時給と作業範囲の変化から逆算し、相手に根拠を説明できる金額にすることが大切です。まずは単価・時給換算ツールなどで現状を数字で把握しましょう。
値上げを伝えたら契約を切られませんか?
可能性はゼロではありませんが、予告期間を設け、実績ベースの根拠を示し、当面は現行条件で継続するなど相手に選択肢を残す形なら、即打ち切りになるリスクは抑えられます。特定の1社に依存しないことが最大のリスクヘッジです。
インボイスを理由に値下げを求められました。応じるべきですか?
発注側からの一方的な値下げ要求は、取引条件によっては独占禁止法や下請法などの観点で問題となる場合があるとされています。また、一定期間以上の継続的な業務委託であれば、フリーランス法第5条が禁止する「報酬の減額」に当たる可能性もあります。安易に応じる前に、フリーランス・トラブル110番などの相談窓口の利用を検討してください。