住民税・国保の通知が届いたら(6月)

毎年6月ごろになると、フリーランス・個人事業主の手元に住民税の納税通知書国民健康保険(国保)の通知書が前後して届きます。会社員のように給与天引きされない分、自分で金額を確認して納める必要があり、「思ったより高い」と驚く人も少なくありません。この記事では、2つの通知書がなぜこの時期に届くのか、金額の内訳の見方、納付方法、そして高いと感じたときに確認することを整理します。

住民税も国民健康保険料も、前年(1月〜12月)の所得をもとに計算されます。3月の確定申告で申告した所得が、その年の6月以降に通知される金額に反映される仕組みです。つまり「去年よく稼げた年」の通知ほど高くなる点に注意してください。

6月ごろに届く2つの通知

住民税と国民健康保険の通知(届く時期・宛先は自治体により異なります)
住民税の納税通知書国民健康保険の通知書
送る人市区町村市区町村(国保組合の場合は組合)
宛先本人(普通徴収の場合)原則として世帯主あて
計算のもと前年の所得前年の所得(世帯の加入者分)
届く時期の目安6月ごろ6月ごろ(自治体差あり)
納付の回数原則 年4回おおむね 年8〜10回(自治体により異なる)

どちらも前年所得をもとにするため、確定申告の内容が反映されています。申告した所得や控除に誤りがあると通知額にも影響するので、控えと見比べておくと安心です。

住民税の通知書の見方(所得割・均等割・森林環境税)

個人住民税は、所得に応じてかかる「所得割」と、一定額を一律に負担する「均等割」で構成されます。さらに2024(令和6)年度からは、均等割と併せて森林環境税(国税)も徴収されています。総務省が示す標準税率は次のとおりです。

個人住民税の標準税率(総務省)。自治体によっては超過課税で異なる場合があります
区分市町村民税道府県民税備考
所得割(標準税率)6%4%合計で一律10%
均等割(年額・標準)3,000円1,000円合計4,000円
森林環境税(国税)1人年額1,000円(均等割と併せて徴収)

つまり標準的なケースでは、均等割4,000円と森林環境税1,000円を合わせた5,000円が定額で、これに前年所得に応じた所得割(おおむね課税所得の10%)が加わります。なお政令指定都市に住んでいる場合は税源移譲の関係で、市民税8%・道府県民税2%という配分になりますが、合計10%である点は変わりません。

計算例: 前年の課税所得が300万円の単身フリーランス

  • 所得割(標準税率10%): 300万円 × 10% = 30万円(市町村民税6%=18万円+道府県民税4%=12万円)
  • 均等割(標準): 4,000円(市町村民税3,000円+道府県民税1,000円)
  • 森林環境税(国税): 1,000円
  • 合計 ≒ 約30.5万円(住民税約30.4万円+森林環境税1,000円)
上記は標準税率での目安です。実際の所得割からは、所得税との人的控除の差を調整する「調整控除」(多くの人で2,500円程度)などが差し引かれ、数千円ほど下がるのが一般的です。ふるさと納税・住宅ローン控除・配当控除などの税額控除があれば、そのぶんさらに所得割が減ります。正確な金額は届いた通知書の課税明細で確認してください。
通知書には4期分の納付書が同封されているのが一般的です。所得割の計算根拠(前年の所得・所得控除・課税標準額)も記載されているので、確定申告で申告した内容と一致しているか確認しましょう。

国民健康保険の通知書の見方

国民健康保険料(自治体によっては「国民健康保険税」)は、前年所得に応じてかかる部分と、世帯・加入者数に応じてかかる部分などを組み合わせて計算されます。通知書では一般的に、次の区分ごとに金額が示されます。

  • 医療分:医療給付にあてる基本部分
  • 後期高齢者支援金分:後期高齢者医療制度を支える部分
  • 介護分:40歳〜64歳の加入者にかかる部分(該当者のみ)

保険料率や上限額(賦課限度額)は自治体ごとに毎年見直されるため、金額は住む市区町村によって変わります。自分の前年所得でいくらになるかの目安は、国民健康保険料の計算方法で計算式とともに確認できます。

通知が届いたら確認するチェックリスト

  • 通知書の「前年の所得」が、自分の確定申告の内容と一致しているか
  • 所得控除(基礎控除・社会保険料控除など)が反映されているか
  • 国保は世帯の加入者全員分が含まれているか(家族の分も合算される)
  • 納期限と納付回数(住民税は年4回・国保は年8〜10回が目安)を把握したか
  • 口座振替・スマホ決済など、自分に合った納付方法を選べているか
  • 金額に疑問があれば、課税明細を手元に自治体の窓口へ問い合わせる

納付方法

住民税(普通徴収)は原則として年4回に分けて納めます。国保はおおむね年8〜10回に分かれることが多く、いずれも自治体により納期や回数は異なります。支払い方法は、金融機関やコンビニのほか、自治体によっては口座振替・スマホ決済アプリ・クレジットカードにも対応しています。納め忘れを防ぎたい場合は口座振替が便利です。具体的な納期と方法は、届いた通知書とお住まいの自治体のサイトで確認してください。

「思ったより高い」と感じたときに確認すること

納付が難しいときは、滞納して延滞金が増える前に、早めに市区町村の納税相談窓口へ相談しましょう。分割納付や、事情に応じた猶予の制度が用意されている場合があります。自己判断で放置するのが最も不利になりやすい点に注意してください。

手取り計算ツールで年間の負担をつかむ(無料)所得から、住民税・国民健康保険料・所得税などを差し引いた手取りの目安を計算できます

住民税・国保はどちらも前年所得で決まるため、稼げた年の翌年に資金繰りが苦しくなりがちです。来年の通知に備えるには、手取り計算ツールで年間の負担を見積もり、納税分を別口座に取り分けておくと安心です。日々の経費を正しく記帳して所得を適正に申告することも、結果的に過大な課税を防ぐことにつながります。手作業での記帳に不安があれば、クラウド会計ソフトを比較して自動で帳簿を整えられる環境を用意しておくと、翌年の申告と通知の確認がスムーズになります。

よくある質問

住民税と国民健康保険の通知はいつ届きますか?

どちらも前年の所得をもとに計算され、毎年6月ごろに届くのが一般的です。住民税の納税通知書は本人あて、国民健康保険の通知書は原則として世帯主あてに送られます。届く時期や納付回数は自治体によって異なるため、届いた通知書で確認してください。

住民税の均等割はいくらですか?森林環境税とは何ですか?

総務省の標準税率では均等割は市町村民税3,000円・道府県民税1,000円の合計4,000円です。これに2024(令和6)年度から始まった森林環境税(国税・1人年額1,000円)が均等割と併せて徴収されるため、定額部分は合計5,000円が目安となります。所得に応じた所得割(標準税率で一律10%)が別途加わります。

課税所得300万円だと住民税はいくらくらいですか?

標準税率での目安は、所得割が課税所得の10%で約30万円、これに均等割4,000円と森林環境税1,000円の定額5,000円が加わり、合計で約30.5万円が目安です。実際には調整控除(多くの人で2,500円程度)や、ふるさと納税・住宅ローン控除などの税額控除で所得割はいくらか下がります。正確な金額は通知書の課税明細で確認してください。

なぜ今年の通知が去年より高いのですか?

住民税も国民健康保険料も前年(1月〜12月)の所得をもとに計算されるためです。前年に収入が増えていれば、その翌年の通知額が高くなります。経費や所得控除の計上漏れがないか確定申告の控えを確認し、国保の軽減制度などにあてはまらないかも見てみましょう。

金額に納得できない・払うのが難しいときはどうすればよいですか?

まず通知書の課税明細と自分の確定申告の内容を照らし合わせ、誤りがあれば早めに市区町村の窓口へ相談してください。納付が難しい場合も、滞納する前に納税相談窓口へ相談すると、分割納付や猶予の制度を案内されることがあります。放置すると延滞金が加算されやすいため、早めの相談が有利です。